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犠牲の上での安穏

若い頃私は毎朝シャワーを浴びていました。

朝に熱いシャワーを浴びると身体がシャキッとして「仕事をするぞ!」という臨戦態勢になることが出来ました。

今はその習慣も無く、夜ゆっくり風呂に入って疲れをとるようになりました。


私の風呂時間は長く1時間くらいは当り前。

半身浴で汗を流しながら本を読むのが好きです。

以前は勉強のための本が中心でした。

1時間弱、集中して本が読めるこの時間は貴重なモノでした。

今はまたその元気も無くなり、小説の本を読むことの方が多くなりました。


昨日1冊の本を読み終わりました。

「タッポーチョ太平洋の奇跡」という題名です。

俳優竹内野豊さんが主演する映画「太平洋の奇跡」の原作です。

この映画は見ていませんが以前から興味を持っていました。


本屋に行くと映画の題名の本とその横に私が読んだこの本が並んでいました。

日本人を主人公にしてアメリカ人が書いてあるということで興味を持ち買いました。


私は戦後生まれですが、学校で戦争の話を先生から聞いた時、戦争の悲惨な話の1つとして、サイパンが玉砕し、全ての日本人は戦死か、崖から飛び降りたりして自殺し、誰も助からなかったと教えられました。

そのため、この映画の広告を見て「生きていた人がいたのだ」とびっくりしました。

この本を読むとその生き残った数は多く、アメリカの収容所には軍人民間人合わせて1万人以上がいたと書いてあります。


この本を書いたアメリカ人ドン・ジョーンズ氏はもサイパンの戦いに参加し戦った1人です。

その人が敵国である日本の1大尉を主人公にして本を書いたのは、余程主人公である大場大尉の戦いぶりに感動したからなのです。

ですから本の中では、大場大尉が降伏して来た時、アメリカの将校たちがその戦いぶりをたたえて、パーティーを開いたほどでした。

この本は大場氏の検証のもとで書かれたので、事実に近いものでしょう。


アメリカ人のドン・ジョーンズ氏はこの本の中で「日本人は何百万という善良な人達が国のために見事に戦いました。その中には優れた兵士だった人達がたくさんいました。彼等はたいていの国なら国民的英雄とされるような勇敢な戦功を立てました。それなのにこの国では無視されてい、認められていません」と書いています。

私は戦争を賛美しませんし、戦争は反対です。

ただ戦争が起きたことは事実であり、そしてそこで国のために戦った人がいたということも事実として忘れてはいけないと思いました。

戦争はいけないモノだというだけで事実に蓋をしてしまのは疑問です。

サイパンは玉砕で誰も助からなかったと教えられれば、最後まで戦い抜いたその戦いの意味は何だったかと悲しい気持ちになります。

今の原発もそうですが、誰かの犠牲の上で安穏とした生活が出来ている今を思い、自然と頭が下がりました。
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