誰かのために

先日京都で開かれた盛和塾例会での話です。

例会では2人の経営者が経営体験発表されました。

どちらも素晴らしい話でしたが、2人目に発表された宮田運輸(株)の宮田社長の話をご紹介します。

1967年に創業された運輸会社です。


宮田社長は売上をいかにして上げていくかを懸命に考え経営していました。

仕事の量が増えると必然的に運転手達への負担が高くなっていきます。

運転手達から待遇改善を求められることもありました。

そのような時に阪神・淡路大震災が起きました。

寸断された道路の復旧を待って、多くの救援物資が被災地に運ばれていきます。

しかし関西圏には救援物資を運ぶトラックが足りません。

宮田運輸に対しても輸送要請がありました。

運転手や社員達はその要請に対して勇んで取り組みました。

連日、休みも無く、昼夜問わず救援物資を運び続けました。

現場から戻ってきたばかりなのに、すぐに物資を積み込むと被災地に向かいます。

宮田社長は運転手に向かって、「大変だろうが頑張ってくれ」と言うと、ニコッと笑って出かけていきます。

宮田社長は頭が下がる思いをしたと言います。

人は強制されて働くのでなく、使命感で働くのです。

誰かのために働くのです。

宮田社長はそう確信したそうです。


その後何年か経って、それを改めて思い起こされることがありました。

今から4年程前に、宮田運輸のトラックの運転手がバイクと接触し、死亡事故を起こしてしまいました。

運転手は警察に拘留中。

宮田社長はすぐに亡くなられたご家族のところへ謝罪に行きました。

頭を床にすりつけて謝りました。

その時に亡くなられた男性の父親からの言葉が忘れられないと言います。

「たった今、息子が命を落としたこと。息子には小学3年の女の子がいたこと。それだけは分かってくれな。」


すぐに宮田社長は事故を2度と起こさないための取り組みを始めました。

何度も安全運転の講習会を開きました。

そして安全のためのスローガンを作ろうと皆で考えたのです。

その時、先程のお父さんの言葉を思い出しました。

運転手にも家族がいるのだと。

子供がお父さんの帰りを待っているのだと。

そこで運転手達の子供達からお父さんへ向けたメッセージと絵を描いてもらうことにしました。

画かれたその絵を拡大し、トラックの荷台にラッピングしたのです。

「あんぜんうんてん」「ありがとう」「おしごとがんばってね」の子供の文字と絵はお父さんを頑張らせました。

必然お父さんは安全運転をします。

誰かのために働く。

家族のために。子供のために。


その子供の絵がラッピングされたトラックはNHKのテレビでも放映されました。

私もたまたま朝の番組で見たのを記憶しています。

そのトラックから発せられたメッセージは道路を走っている他のドライバーにも安全運転を訴えています。


このことがテレビなどで紹介されてからのある日、1通の手紙が宮田社長のところに届きました。

差出人は4年前に亡くなられた男性のお母さんでした。

そこには「とても良いことをしていますね」という内容のものが書かれていました。

宮田社長はその手紙を読んで泣いたそうです。


「こどもミュージアムプロジェクト」と名付けられた「ラッピングトラック」は他の会社にも広がっているようです。

私もそのトラックをどこかで見てみたいものです。
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